「黒い羊ってヤバくね?」って話
つい先日レコード大賞受賞候補が発表され欅坂46は8thシングル「黒い羊」が優秀作品賞に選出されました。 (╥﹏╥)
今作は今年2月に発売されたものなのですが、メッセージ性の強さとワンカットでの撮影を行ったという事で僕の中では話題となりました。
発売から時期も経っていることから考察などは出し尽くされている感はありますがこの記事を機に欅沼にハマってもらえたらと思い執筆しました。
注目のポイント
そもそもタイトルの黒い羊には「のけ者」「変わり者」といった言葉があり歌詞やMVを理解する上で重要なポイントとなってきます。
また、MV内には彼岸花が登場するのですが花言葉である「悲しい思い出」「あきらめ」「思いやりの心」が段階に分けて表現されています。 同時に彼岸花は「「個性」」の役割も果たしており、そこも要チェックです。
考察
「悲しい思い出」
印象的なイントロから始まり映し出されるのは事故現場、どういう事なのか先ずは歌詞を見てみます。
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信号は青なのかそれとも緑なのかどっちなんだ?
あやふやなものははっきりさせたい
夕暮れ時の商店街の雑踏を通り抜けるのが面倒で
踏切を渡って 遠回りして帰る放課後の教室は苦手だ
その場にいるだけで分かり合えてるようで
話し合いにならないし
白けてしまった僕は無口になる
言いたいこと言い合って解決しよう
なんて楽天的すぎるよ誰かが溜め息をついた
そう それが本当の声だろう黒い羊 そうだ 僕だけがいなくなればいいんだ
そうすれば 止まってた針はまた動き出すんだろう?
全員が納得するそんな答えなんかあるものか!
反対が僕だけならいっそ無視すればいいんだ
みんなから説得される方が居心地悪くなる
目配せしている仲間には僕は厄介者でしかない
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ここでの主人公は生活における人間関係や自分の意見を主張せずに個性を隠して生きている周囲に辟易とし、人と意見を交わすこともあきらめ人と関わり合うことを諦めた様子が想像できますね。
MV
映像が左へと移動し映し出されるのは事故現場、地面には花びらが散っていますがココではポイントである「彼岸花」が散ることつまり個性の死を表現しているのではないかと思われます。
そして事故現場を見つめる1人の子(てち)は彼岸花を持っていることから個性が消えた様子を遠くから見ているのではないかとおもいます。
ここでは様々な問題に直面し世間では厄介者やのけ者扱いされているメンバーが映しだされるわけですが、そんな面々に主人公は関わろうとしますが拒絶されてしまいます。
歌詞にもある通りココでの主人公は個性を大切にし人と関わる事を拒絶しているため、他者と分かり合う事が出来ず突き飛ばされてしまったのではないでしょうか?
「あきらめ」
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真っ白な群れに悪目立ちしてる
自分だけが真っ黒な羊
と言ったって同じ色に染まりたくないんだ薄暗い部屋の明かりつけるタイミングって一体いつなんだろう?
スマホには愛のない過去だけが残ってる
人間関係の答え合わせなんか僕には出来ないし
そこにいなければよかったと後悔する人生の大半は思うようにはいかない
納得できないことばかりだし諦めろと諭されてたけど
それならやっぱ納得なんかしないまま
その度に何度も唾を吐いて
噛みついちゃいけませんか?No No No No
全部 僕のせいだ
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周囲への嫌気から関わり合う事から逃避中の主人公ですが、今までを回顧しそもそも関わりを持つこと自体が無意味なんではなかろうか?
そもそも思い通りに人生が行くわけないんだから(めちゃくやってやるぜ)って感じで自暴自棄気味です。
MV
覇気のない顔で歩くメンバー達
先程までの勢いは何処に行ってしまったのでしょう個性を捨ててしまったのか?
他のメンバーとは逆に降りてくる ねる(卒業しちゃったけど……)これから個性を主張しあきらめという道を同じように歩むのかもしれません。
階段を上がっていくと廊下には口論し合う人達や疲れきった顔をしたメンバーが! 個性や自己主張することさえも諦めてしまったように見えますね。
幼少期は家族団らんを楽しみ純粋だった子がいつの日か周りに抑圧され日々の生活に息苦しさを感じる子に成長してしまいました。
「思いやりの心」
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黒い羊 そうだ 僕だけがいなくなればいいんだ
そうすれば 止まってた針はまた動き出すんだろう?
全員が納得するそんな答えなんかあるものか!
反対が僕だけならいっそ無視すればいいんだ
みんなから説得される方が居心地悪くなる
目配せしてる仲間には僕は厄介者でしかない
わかってるよLa La La…
白い羊なんて僕は絶対になりたくないんだ
そうなった瞬間に僕は僕じゃなくなってしまうよ
まわりと違うそのことで誰かに迷惑かけたか?
髪の毛を染めろと言う大人は何が気に入らない?
反逆の象徴になるとでも思っているのか?
自分の色とは違うそれだけで厄介者か?Oh
自らの真実を捨て白い羊のふりをする者よ
黒い羊を見つけ 指を差して笑うのか?
それなら僕はいつだって
それでも僕はいつだって
ここで悪目立ちしてよ
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諦め→自暴自棄の道を辿ってきたわけですが、ここに来て個性を主張する事は悪いことではなく。自分はこの生き方をして行くと確信した、ある意味悟りを開いたかのような感じがします。
これは歌詞だけでなく曲調も落ち着いた雰囲気になっていることからも感じ取れるでしょう。
MV
再び、舞台は周囲と関わり合う場面へと移行します。
注目する点は個性の象徴であった彼岸花を持っていないこと、自身の主張を一度捨て周囲に目を向けようとしている様子が感じられます。
周りとぶつかりあったことで何処か疲れた印象を受けますが再び彼岸花を受け取り個性を取り戻します。
花を受け取り階段を登るとメンバーが!
3回目のぶつかり合いが開始されるわけですが今回は拒絶される事なく深く抱きしめ合うことが出来ています、恐らく先程一度個性を捨てぶつかりあった事で主人公は他者を思いやる気持ちを取り戻したことが受け入れられた要因なのではないでしょうか??
そして、散々抱きしめあった後は皆の前で踊り出します。
ここでは彼岸花を持っていることから個性を保持している訳ですが、冒頭と違うのは「隠した個性」ではなく「現した個性」である事です。
自分はこんな人間なんだ!って周囲に明らかにするわけです、そのおかげもあってかソロダンスの後はシッカリと後ろから人々が付いてきてくれています。
めでたしめでたし
まとめ
いかがだったでしょうか?? 孤立していた主人公が思考的に成熟し周囲と関わりを持つことが出来るようになっていく様子がとても良く表現されてました。
2月発売の古いシングルではありますが歌詞・MVともに完成度が高く何故か考察しながら泣きましたಥ_ಥ 改めて欅の曲は神だなと思わされた日でした。
正直、「黒い羊」が受賞しても不思議ではないのですが日向坂46の「ドレミソラシド」も外すことは出来ず、どちらを応援したらいいのかわかりません。